小学 【部長室だよりEpi.23】「修学旅行 外伝」

2023年5月11日(木)、本校の5年生は幼稚園年長組さんと田植えの真っ最中であったころ、6年生は修学旅行の二日目に突入していた。私は、6年1組の第1班に同行し、4年振りの鎌倉市内班別見学をしていた。ガイドさんは、齢80歳と思しき健脚の男性だった。定年退職後、健康維持と歴史散歩で社会に貢献したいと一念発起し、ガイドの資格試験に合格し本校のガイドさんとしてご案内をいただいた。元は鎌倉市民、現在は横浜在住とかで、当日も横浜から駆けつけてくださったとのこと。とにかく熱心。子どもが大好き。歴史も大好きという方だった。

出来事は、突然起きた。江ノ電の線路脇の小道を歩いて極楽寺を目指していたその時、フッと一般住宅の角を曲がると20人いや15人かもしれないが、一見異様な集団に出会った。最初に目に飛び込んできたのはマイクである。黒い伸縮しそうな結構頑丈そうな棒の先に、いかにも高そうなマイクがふわふわにカバーされてニョキッと突き出されていた。2本も…。次に飛び込んできたのは肩に担がれたカメラだった。カメラマンが2人いたような記憶がある。どう考えても何かの街頭収録に違いないと瞬時に悟った。最後に目に飛び込んできたのは、眼鏡の奥の大きな目だった。脳は一瞬にして過去のデータと照らし合わせていた。あっ、「西川きよし」だと思ったその瞬間、「今日は、どうしたんですか? 先生?」とその人物は尋ねてきた。隣には「ケンコバ」という芸名の方が太い声で何やら喋っていた。その隣には、いかにも女優という方が佇んでいた。行動班の子どもたちもてんやわんやである。おそらく、4~5分の立ち話をしてその方たちと別れた。と、思ったら、ディレクターと名乗る方が近寄ってきて、書類にサインをお願いします旨。もしかしたら放映されるかもしれないとのこと。民放の「土曜…」という番組とのこと。

その後、新聞のテレビ番組欄を念入りにチェックしだしたのは言うまでもない。土曜日が来た。「土曜…」という番組欄に『鎌倉』という文字を見つけた。所用があったので録画をセットし、その日の夜に番組を見た…。出会った後の、神社に詣でるところから番組は始まっていた。編集の段階で尺の調整があったのだろう。そういえば、放映の際は「事前に電話します」と仰っていた…。電話はなかった…。

その日は、特に暑く、おでこと鼻の頭が一気に日焼けして皮がむけてしまった。

よい社会勉強ができた…!?

 

写真は極楽寺に向かう途中の神社の参道です。ガイドさん曰く、「相模湾に面した『由比ガ浜』『材木座海岸』が一望できるとっておきのロケーションです。」とのこと。少し癒された。