院長挨拶

学院長 船田 元

作新学院は明治18年(1885年)に「下野英学校」という私塾として宇都宮で産声を上げました。当時は文明開化の息吹を一杯含んだ青年たちが集い、お互い教えあったり助け合ったりして、学問に打ち込みました。そこから「一校一家」の校風が生まれ、現在に至るまで、お互いに親身になって助け合うという良き伝統として受け継がれています。

「作新」の名前は中国の古典『大学』の一節に由来しますが、もともとは栃木県北東部の黒羽藩の藩校に、江戸城無血開城の立役者・勝海舟が名付けたものです。変化し続ける社会に役立つ新しい人材、自ら学び自ら経験し、自らを新しくして行く能動的な人材を作るという意味合いがあり、これが本学院の建学の精神にもなっています。昨今重視されつつあるアクティブ・ラーニングは、まさにこの精神を具現化する手段であり、私たちはどこよりも早く、また積極的にこれを実践して行きます。

さて元号も「平成」から「令和」に変わります。「令和」とは万葉集に原典があり、「人々が美しい心を寄せ合う中で、新しい文化が生まれ育つ」様を表現したものと言われます。新時代や新しい文化を皆で力を合わせて作っていこうという意気込みを感じます。

しかしながらこれからの時代は、AI(人工知能)が人間に取って代わられるかも知れません。そうならないためには、2つの「そうぞうりょく」すなわち想像力と創造力を備えた、いわゆる人間力を身につけなければなりません。

もう一つはアメリカの国際政治学者ハンチントンが、その著『文明の衝突』で示唆した混沌の社会が生まれようとしていることです。東西冷戦が終局した後、今度は民族や宗教、異文化の間で無理解による紛争が起こるだろうとの予言は、残念ながら当たってしまったようです。これを乗り切るためには、民族性や文化の多様性(ダイバーシティ)を尊重する態度が大切です。

作新学院の教育は何よりもこの人間力と多様性を大切にして、ローカルからグローバル、そしてユニバーサルに活躍できる人々を世の中に輩出して参ります。