小学 【部長室だよりEpi.22】「読み聞かせ~peer活動~」

小学部児童の活動はたくさんあります。400人を超す子どもたちが集まって学校を動かしているのですから、子どもの人数分だけ“活動”があることになります。いえ、実際には「子どもの人数×できごと」が正解でしょう。数字には表せません。

ところで、学区域を持たない作新学院小学部は、学年間の交流が少ないと感じていた時期がありました。そこで、「peer」の考え方を応用して学年間交流を展開することにしました。その歴史を辿ると、今から20数年前に遡ります。もともと、6年生が新入生を学院の3つの門(正門・北門・南門)に迎えに行く活動はしていました。ご存じのように作新学院一の沢キャンパスは、幼稚園・小学部・中等部・高等学校(トップ英進部・英進部、総合進学部、情報科学部)がひとところに集まっています。東京ドーム4個分の広さです。ですから、構内には一時停止の標識や横断歩道まで設置されています。小学部の新入生が、「迷わず・安全に」小学部校舎までたどり着けるように6年生の登校指導があるわけです(入学式から一週間)。

peerの考え方は、その次の段階と言えます。入学して間もない1年生は、ランドセルからノート・教科書類を机の引き出しに入れることや、下駄箱(靴入れ)の使い方、ひいてはトイレの使い方(手を洗う水道は自動洗浄・ハンドドライヤー常設)などいろいろと覚えてほしいことがあります。担任教師は連絡帳の確認や保護者からの電話対応、朝の会議等があり、朝から全力疾走の状態です。一番やりたいことは受け持ちクラスの子どもたちとの触れ合いなのですが…。

そこで、目まぐるしい朝と給食の配膳・お片付けの時間は6年生に手伝ってもらっているのです。当番制なのですが、当番に関わらず自主的にお世話をする6年生もいます。そして、5年後。当の1年生は6年生になり、peer活動に積極的に参加するという循環(=「伝統」)が生まれるのです。

写真は、読み聞かせのシーンです。遠慮気味に恥ずかしがりながら読み聞かせをしているのかと思いきや、国語の朗読よりも朗々と感情を込めて情感豊かに読み聞かせをしている6年生。ある意味、ピグマリオン効果が6年生に降り注いでいるのが分かります。

ちなみに、3年生は、1年生の教室に当番制で派遣され、一緒に掃除をしながら「掃除の仕方」を指導しています。

これらの活動は1学期いっぱいで終了します。なぜかというと、6年生は自分の進学(中学校受験)に専念する時期だからです。もちろん、1年生にしてみれば、いつまでもおんぶにだっこでいられるはずもありません。「自分でできる」「一人でやりたい」「(1年生同士で)やってみたい」と、ここでも自主性が育っているからです。

※peer…なかま

※ピグマリオン効果…他人から期待されることでその期待に沿った成果を出すことができる効果。