高校ト英・英 「コロナショックと漂流する民主主義」 学術講演会

6/18(土)、当該部の卒業生で現在名古屋学院大学法学部で教鞭を取られる鈴木 隆教授をお招きし、当部恒例の学術講演会を行いました。今回の講演では国際政治学者の立場から民主主義の詳しい説明とそれを踏まえての主権者教育をしていただきました。

民主主義国家の定義から相対する権威主義国家。普通選挙や平等選挙、直接選挙、秘密選挙、競争的選挙といったわが国の選挙制度と他国との比較やその是非。そして表現の自由や報道の自由、結党の自由といった日本では当たり前だととらえられていることに関しても世界的に見れば当たり前ではないことを教わりました。

人間という生き物の本質が政治にどう結びついていくのか。権力というものの歴史などは生徒も興味深く聞くことができたようです。また、国の数でいえば民主主義国家の方が少ないという事実には生徒も驚愕したようです。学会では「権威主義国家が軍事力で他国の主権を侵害するような前近代的行為は、グローバル化し、国際法のルールが重視されるようになった現代では生じにくい」と考える傾向が強かったそうで、先生としても最近の世界の動きには予測できない難しさがあるとおっしゃっていました。

「主権者教育とはそういった権威主義的な国家を生み出さないための第一歩である」という先生の教えを理解し、積極的に選挙に臨めるようなきっかけとなる学術講演会でした。