太平洋側では晴れていても、日本海側や北東北・北海道地方では積雪の報道を耳にする季節となりました。今年も、残り2週間余り、2学期終業式まで5登校日だけとなりました。
小学部では、ここ数年「道徳教育推進委員会」が中心となり、道徳授業の改善を目指しいくつかの試験的な取り組みをしています。「出張授業」もその一環です。教務部あるいは学年主任が学年単位で道徳の授業を出張で実践し、それを受けて担任がフォローアップする形を取っています。
今年度は、コロナ禍であり、授業のやり繰りを考えた時に、今までのような複数人の出張授業を組める見込みが立ちませんでした。そこで、フィジカルディスタンスを確保しながら学年ごとに体育館リズム室で部長講話という形で道徳の出張授業をしたのが秋も深まった10月下旬でした。今回は、その時1年生に話したことをお知らせいたします。
私が小学4年生の頃、運動会の日に興奮して係の仕事開始時刻のずいぶん前に登校した際、学校の門前にあるカーブミラーを2つ年上の先輩が踏み台に上がって磨いていたのです。その日のうちに先生に尋ねると、その先輩は1年生の時から父親に手伝ってもらってハシゴをかけ、水拭きと乾拭きでカーブミラーを磨いていたといいます。なぜ?と先生に尋ねると私の同級生に先輩の妹がいるのですが、その子が幼稚園の時、飛び出して車にぶつかりそうになったそうです。その時以来、お兄さんである先輩はカーブミラーを磨くようになったそうです。小学生が登校してくるずっと前の早い時刻に、毎日、雨の日でも磨いていると先生は話してくださいました。
誰も知らない話でした。朝礼で校長先生に褒められることも無かったと記憶しています。でも、先輩のおかげでカーブミラーはいつもピカピカでした。飛び出しも、交通事故も6年間の間、一度もありませんでした。
妹のために、と思って行動したことが、多くの人に役立っていたというお話でした。