10月20日(火)から22日(木)の3日間、岩手県釜石市・盛岡市で開催された「『世界津波の日』2026高校生サミット」に、本校トップ英進部3名が参加しました。
「世界津波の日」とは、東日本大震災による津波被害を受けたことをきっかけに、津波の脅威と対策について理解と関心を深めることを目的に、11月5日を「世界津波の日(World Tsunami Awareness Day)」として2015年12月の国連総会において日本が提唱し、採択されたものになります。
2016年より世界各国の高校生が津波の脅威と対策について学ぶ場として、「世界津波の日」高校生サミットが開催されており、8回目の開催となる今回は、トップ英進部の1年生3名が参加しました。
日本を含む14カ国から99人の高校生が参加し、1日目と2日目には3つの分科会に分かれて、各校の紹介やそれぞれが考えてきたアイディアをもとに議論を重ねました。さらに、3日目のサミット総会では、「世界へつなぐ岩手“希望“宣言」として取りまとめました。
今回、トップ英進部から参加した小林心結(こばやし ここな)さん・金澤真稀(かなざわ まき)さん・鶴見樂( つるみ がく)さんの3名は、「誰一人取り残さない防災」に関しての分科会に参加し、作新学院で実施している“オール作新”の災害支援や地球環境クラブの取り組みなどについて英語でプレゼン発表を行いました。
また、学院としての取り組みだけでなく、小林さんは自らが学校外で所属している栃木県防災士としての活動から見出した発案を、金澤さんは以前住んでいた神戸での阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた発案を、鶴見さんは自身が暮らしている茨城県での防災対策からの発案をそれぞれ行いました。
普段、英語部で活動する3名は、放課後の活動で培った英語力をフルに発揮し、プレゼン発表後には、国内の参加者だけでなく海外から参加している高校生や教育関係者からも、多くの好評をいただきました。
プレゼン発表後のディスカッションでも、ジェスチャーを交えながら英語で意見を共有し、サミット総会で発表する報告内容の作成に協力しました。
分科会の休憩時間や交流会の時間には、国内外の参加者問わずに積極的に交流する様子も見られ、特に、同じ分科会グループでともに議論し合ったシンガポールやベトナムの高校生たちと仲良くなり、お互いに写真を撮ったり連絡先を交換したりするなどして過ごしていました。
3日目の最終日、3つの分科会で取りまとめられた内容が発表され、「世界へつなぐ岩手“希望“宣言」が発せられました。
「世界へつなぐ岩手“希望“宣言」の文章は、以下のURLよりご確認いただけます。
https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/102/180/declaration.pdf
分科会の発表内容や宣言の一部には、3名がプレゼンで発案し、ディスカッションを通じて深めていった内容も含まれています。11月5日(木)の「世界津波の日」には、ニューヨークの国連本部にて岩手県の高校生が発表する今回の宣言文が正式に採択される予定です。
栃木県は海に面していない内陸県であるため、地震による津波被害の重大さについて身近に感じとることが難しい状況にあります。今回の高校生サミットを通じて、実際に被害に遭った釜石市の津波によってできた爪痕や復興に向けた取り組みを間近で触れて考える充実した機会となりました。
以下は、参加した生徒3人の感想です。
小林心結さん
日本を含む14カ国から99人の高校生が集まり、全て英語で生活した3日間はとても有意義でした。この経験は、私の防災への思いを大きく深めてくれました。東日本大震災は日本人だけのものではなく、世界中の人々に防災意識を根付かせた出来事だと感じました。
発表したテーマは「誰一人取り残さない防災」です。これは中学2年生で防災士の資格を取得してから私がずっと大切にしてきたテーマです。災害時に特に被害を受けやすいのは高齢者や障害のある方、女性、子どもたち、外国人であり、情報や支援が届きにくい現実があることを改めて理解しました。
中等部の少年の主張大会で「県の垣根を越えた同世代の学生の防災チームを立ち上げたい」と話したことがずっと胸にあります。あの想いが今回のサミットで形になっていくような感覚があり、分科会でこのテーマを扱うことになったのは運命だと感じました。
中等部からずっと地球環境クラブで社会貢献活動を続け、現在は栃木県防災士会と日本防災士会の両方に所属しています。栃木県防災士会では自助・共助・協働を軸に避難所運営を学ぶHUGや防災情報の共有をしています。日本防災士会にはもっと視野や知識を広げていきたいと思い、所属しています。
中等部の社会研究部で学んだ手話や点字は今の私の土台です。伝える手段は言語だけではありません。災害時の初動では相手に合わせた伝え方が必要不可欠です。私たち学生にはSNSで発信する力があり、「やさしいにほんご」も使えます。子どもや外国人は、行書体のポスターや言い回しが複雑な丁寧な日本語を理解しにくいのです。それは同世代だけでなく、すべての世代、身体が不自由な人、日本に住む外国人を守ることにつながります。分科会で私は学生の防災チームを立ち上げ、自分たちの世代からすべての世代をつなぐ活動を提案しました。
他にも、海外の高校生と議論を重ね、仲良くなり、写真を撮ったり連絡先を交換したりする中で、「大切な人や場所を守りたい」という想いは皆同じだと実感しました。高校では英語部で毎日ディベートに取り組んできたからこそ、海外の人との交流にも自然と目を向けることができました。英語力の大切さも痛感しましたので、今後も引き続き英語ディベート活動にさらに力を入れていきたいと思っています。
分科会・サミットを通じて、国境を越えた学生防災チームを立ち上げたいと強く思うようになりました。男女共同参画についても勉強中で、女性の活躍が地域力の向上につながることも理解しています。防災士として得た知識と、手話・点字・やさしいにほんご・SNSを活かし、誰一人取り残さない防災をこの作新学院から広げていきたいです。防災士になってからずっと参加したかったこのサミットで貴重な経験と出会いを得られたことに感謝し、これからも「誰一人取り残さない」という想いを胸に、学びと挑戦を続けていきます。
金澤真稀さん
私はこの度、岩手県で開催された「『世界津波の日』2026高校生サミットin岩手」に参加しました。参加する前の私は、防災についてあまり興味や関心がなく、災害は自分の身近な問題として深く考えたことがありませんでした。しかし、今回のサミットで国内外の高校生たちと意見を交わす中で、防災の重要性について学び、自分の考えを大きく変える貴重な機会となりました。
サミットでは、日本だけでなく、海外の高校生たちとも防災について話し合い、同じ災害について考えていても、国や地域によって災害の種類や経験、抱えている課題が異なることを知りました。また、自分とは異なる考え方や意見に触れることで、防災には一つの正解があるわけではなく、それぞれの地域や人々の状況に応じた対策が必要なのだと感じることができました。自分一人で考えるだけでは気づけなかった視点を得られたことは、とても印象に残っています。
特に大切だと感じたのは、防災において一人ひとりの立場や状況を考えることです。災害が起きたとき、すべての人が同じように避難できるとは限りません。高齢者や障がいのある人、子ども、言葉や文化の違いによって情報を得にくい人など、一人ひとりの状況に合わせた支援が必要になります。そのため、防災は自分や家族の命を守るだけでなく、周囲の人々にも目を向け、地域全体で協力して取り組むことが大切なのだと学びました。
今回のサミットに参加するまでは、防災を自分とは少し離れたものとして捉えていました。しかし、国内外の高校生たちとの交流を通して、災害はいつどこで起こるか分からず、誰にとっても他人事ではないと実感しました。そして、災害が起きてから行動するだけでなく、日頃から知識を身につけ、備えておくことが重要だと考えるようになりました。
今回得た学びを一時的なものにせず、まずは自分にできる備えから始めたいです。また、周囲の人々と防災について話し合い、互いに助け合える関係を築いていきたいと考えています。このサミットは、防災への関心を高めるだけでなく、自分の行動や意識を見直すきっかけとなりました。
鶴見樂さん
「『世界津波の日』高校生サミット2026 in岩手」に参加したことは、私にとって災害及び防災の知見を広げるだけでなく、海外の高校生と交流することができた貴重な経験になりました。
分科会が始まってすぐは、同じグループになった高校生と話すことに緊張していたことや、自身の英語が相手に伝わるかどうか自信が持てず、自ら発言するのをためらっていました。しかし、グループのメンバーたちと少しずつ会話を重ねていくうちに、緊張せずに話せるようになっていき、開始して1時間たった頃には積極的に話せるようになっていました。
グループでの議論を通じて、自分たちで出したアイディアだけでなく、他グループとの意見交換で客観的な意見も取り入れていき、最終的には、「簡単に分かりやすい言語を使う」、「怪我人や病人を優先的に助ける」、「老人・子どもを置いていかない」などといった案をとりまとめ、シンガポールから来た高校生と一緒に分科会メンバー全員の前で英語によるプレゼン発表を行いました。これは本当に良い経験でした。
また、分科会での議論以外にも、多くの気づきを得ました。宿泊先のホテルの外に出て釜石の街の中を散策していると、海の周りには住宅がほとんどなく、がらんと土地が空いているのを見て、中学生の時に訪れた陸前高田の風景と重ねながら、震災から15年経っても元のようにも戻らないということを改めて実感しました。
釜石での分科会を終え、盛岡に移動して出席した高校生サミット開会式では、地元高校生が司会進行していることに驚きつつ、高市首相のビデオメッセージをはじめとする著名な方々の挨拶を聞きながら、改めて今回の高校生サミットに参加できたことに意味を感じられる良い時間を過ごすことができました。その後のレセプションでは、別の分科会に参加していた国内外の参加者とも話ができたほか、現地の「虎舞」を鑑賞したり、「さんさ踊り」を体験したりするなど、文化交流で楽しい一時を過ごせました。
今回参加した3日間の高校生サミットの経験を活かして、これからの自分の将来と向き合っていきたいと思います。





