作新アカデミア・ラボ
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33野球部は都立高史上はじめて甲子園に出場しました。山中:作新学院も昨年甲子園で全国優勝され、畑さんはよほど 甲子園に縁があるんですね。 理事長:確かに54年ぶりの優勝だったんですが、それが丁度自分 の年齢と同じ年だったりしまして。先生は、柔道部で活躍され、生徒会副会長も務められたとか。山中:中学・高校と柔道部でした。大学に行ってからはラグビー部で。かなり本格的な体育会系の部活でしたね。理事長:神戸大学の医学部に現役合格されて、医師国家試験にも順調に合格するその一方で、厳しい部活にも取り組まれていたとは、まさに超人的ですね。たしか高校時代に、「スーパーマンになれ」っておっしゃられた先生がいらしたと伺いました。山中:そういう先生が、何人もおられました。理事長:えーっ、何人もですか!山中:そのことは子ども心にすごく影響していて、いろんなことをやるのが当たり前という雰囲気がありましたね。試験前でも、クラブや自治会の活動はやらなあかん。でも、テストの点数もある程度 取らんといかんので、そこがもう創意工夫のしどころで。どうやって この短い時間でやり切るか、常にそういうトレーニングや工夫を してたような気がします。理事長:そんなスーパーマンみたいな生徒は、山中先生だけじゃなかったんですか?山中:いえ、結構いましたね。ただ、実際のスーパーマンは何をやって も成功するんですが、残念ながら僕たちはいろんなことをやってほぼ失敗するんです。でも、それは全然OK。中学・高校でソフトスキルをつけるっていう面では、むしろ変に成功するより、いろ んな失敗を10代に経験する方が。当然、社会に出ると失敗が起きますから、その耐性というか、受け止め方が身につく。それに、 失敗っていうのは一見失敗なんですが、実際にはすごいチャンスということも多いですから、失敗への対応力が身についた気がします。  理事長:ノーベル賞受賞に至る山中教授の萌芽は、まぎれもなく 中学・高校時代の教育にあるんですね。山中:いや、それは本当に、中高での教育環境に感謝してますね。理事長:同じ文脈で語るのは先生に失礼なんですが、リオ五輪で金メダリストになった萩野公介選手も、作新で中高6年間を送りました。海外遠征などで一年の半分も授業に出られない中、学習面でも常にトップクラスの成績を維持していたんですが、同級生が用意してくれた授業ノートを、遠征先で自分の手で書き写して勉強していました。山中:僕も中高の友達とはずっと付き合いが続いてますし、やっぱり 宝のような友達が10代でできたことは大変な財産ですね。子どもたちに内在する発想力や創造力をアクティブ・ラーニングで引き出し未来をデザインする。それがラボの使命です。—畑 恵

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